梨の日記

満を持して韓国アイドルに堕ちたオタク

『그리워하다 』は切なすぎる自己肯定の物語だった


前回「Beautiful Pain」の考察をした後、自分で書いておきながらMVを軽率に見れなくなるという謎の症状が出て困ってるんですが、

 

他のMVが気になってしょうがない!!

 

どんな演出が隠されてたのか知りたい!!!!

 

 

 

なので自分の首をどんどん絞めていくスタイルで行こうと思います。

 

ということで

 

 

BTOBの名曲「Missing You」をゴリゴリに考察してしまいました。

 

(考察苦手な方はここでそっと閉じてください)

 

 

 

 

 


タイトルにあるように、この曲は自己肯定の物語なのですが、

MVのポイントになる演出が細かすぎる!!!!

 

 

 

 

今回紹介するものだけでも10箇所!!!!

 

やっぱりKPOPのMVって作り込みが半端ないんだな、、、

 

すでに最後までたどり着くか不安です

 

 


では、まずプロローグから。

 

①鏡

何故いきなり鏡?って思ったかもしれませんが

 

 

 

それは鏡が「無意識と真実」を映すと考えられているから!!!!!

(ex.オペラ座の怪人)

 


自分が自分に言いたかったことを、鏡に映る「もうひとりの自分」に託す。

 

つまり、鏡越しに映るヒョンシクが奏ではじめた音楽や詩は、彼が心の中で秘めていた感情だったということ。

 

 

いや、いきなりガチガチのメタファーじゃん………

 

演出家の気合の強さよ……

 

 

 

 

②橋

Q. イルンとソンジェとチャンソプ、みんな最初は橋の上にいるのは何で?

A. 橋は「二つの世界が繋がる場所」だから!!

(ex.ハリポタのホグワーツ特急、リメンバーミー)

 

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ここで3人が歩いていたのは


過去(思い出)と現実を繋ぐ架け橋。

 

 

 

別れて1年が経っても恋人を思い出す自分と、

ひとりで生きている今の自分という現実。

 

 

その狭間で、もがき苦しむイルンと後ろを振り返るチャンソプ。

 

時は過ぎても、心はまだ過去の中に置いてけぼりでずっと君を恋しがってる。

 

 

内容がスッと入ってくる………

 

 

③屋上

ビルの屋上にいるソンジェとプニエル。

 

ただノスタルジックに佇んでるだけじゃなかった。

 

 

お酒が入ったソンジェは、感情が爆発して叫んだり瓶を投げつけたりしてますよね。

 

 

それは「屋上」という場所が

「自分の内側にあるものを解放したい」

っていう気持ちのメタファーだから。

(ex.オペラ座の怪人)(再び)

 

 

ちなみに

④瓶を割る=別れ

⑤壁=心の壁と前に進めない閉塞感

 

そして

⑥水

ウングァンが水面に倒れ込むシーン。


(初めて見たときは「急に?????」と驚いたけど、ちゃんと意味がありました。すいません。)

 

で、水が持つ意味

・心を写す鏡 

・無条件の愛 

・破壊と再生

 

(ex.ライオンキング、アナ雪2)


多い!!!そして重い!!!!!

 

 

ウングァンの部屋に映る水の映像、少し波が立っているのは、「戻ってきて欲しい」と心が揺れ動いているからじゃないだろうか。

 

 

平気だと思ってたけど、前に進めない。本当は寂しくて会いたいと願ってしまうんだ。

 

 

歌詞とのリンクがえげつない……… 

 

 

 

唐突ですがここまでの要素をまとめると、

①無意識と真実

②過去と現実

③感情の解放

④別れ

⑤心の壁

⑥心を映す鏡、無条件の愛、破壊と再生

 

 

やっぱり、なかなかヘビー……

 

 

 

「思い出と現実の狭間でひとり生きてきたけど、まだ君を愛してるみたいだ。もう一度戻ってきて。」

 

そういうメッセージが映像だけで読み取れる。

 

 

すごくない?????

 

歌詞がなくても、言語が違っても伝わるMVって完璧じゃない??????

 

 

 

 

 

…一旦落ち着きます。

 

さて、なぜここで一度区切ったかというと、

ここから物語が大きく変化するからです。

 

 

前半が「過去」の物語だとすれば

後半は「現実」の物語です。

 

 

⑦道

振り返れば、

イルンがいた橋の下やミニョクの運転シーン、ビルから見下ろす景色、チャンソプが走るシーンなど、MVの中で何度も何度も登場していた道路が意味するのは

 

「自分の生き方や進む方向性」(ex.千と千尋の神隠し)

 

同様に、階段も「人生の方向性を模索している状態」のメタファー。

 

恋人と別れ、もがき苦しんだ男は

これからどう生きていくのか。

 

 

 

 

 

ついにラストシーンです

 

最後のポイントを一気に出します。

⑧ドア=心の扉 (ex.アナ雪)

⑨枯れた植物=孤独 (ex.ライオンキング)

⑩砂=過去

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階段を登った先のドアの向こう側にいるのは孤独な自分。

 

 

 

もうひとりの自分は、失恋を乗り越えたわけでもなく、過去にとらわれたまま、ひたすら孤独の中を歩いているけど、そんな自分を受け入れて生きていく。

 

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それが、この曲(MV)の結末です。

 

 

こんなにも切ない自己肯定がありますか……?

 

過去を忘れられない自分さえも受け入れて

ただ孤独に生きていく。

 

 

夏から冬に移り変わる「秋」という季節さえも演出の一つかと思わされるMV構成。

 

 

お手上げです………